世棄人よすてびと)” の例文
形だけも世棄人よすてびと、それでこそ、見得も外聞も洒落しゃれも構わず、変徹も無く、途中で芸者を見ていらるる。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてあの世棄人よすてびとも、遠い、微かな夢のように、人世じんせいとか、喜怒哀楽とか、得喪利害とか云うものを思い浮べるだろう。しかしそれはあの男のためには、くに一切折伏しゃくぶくし去った物に過ぎぬ。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)