不嗜ふたしな)” の例文
井戸とお勝手の流しとの間には、紙を貼つた荒い格子があり、その紙が一二ヶ所荒々しく破れてゐるのも、大家らしくない不嗜ふたしなみです。
それで、恒子は、今になつてこんなことを云ひ出すのは不嗜ふたしなみのやうだけれど、将来のことを、もう一度考へ直してみたいつて云ふんですの。
驟雨(一幕) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「あのような不嗜ふたしなみなことは、朝廷の儀礼と尊容を甚だしくみだすものです。笑った者を処罰しようではありませんか」
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)