“下腮”の読み方と例文
読み方割合
したあご100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
血の気を喪った頬を両手でヒッと押えて、下腮したあごをワナワナと震わした。同時に阿弥陀あみだにした鳥打帽がパサリと背後にすべり落ちてシングルカットの頭が露われた。
童貞 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「……万里泊舟天草灘ばんりふねをはくすあまくさのなだ……」と唯口のさきだけ声を出して、大きく動かしている下腮したあごの骨が厭に角張って突き出ている。斯うして見れば年も三つ四つ老けて案外、そう標致きりょうも好くないなあ! と思った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)