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下向
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したむき
ふりがな文庫
“
下向
(
したむき
)” の例文
「何と云ったって、忘れたかい」と宗近君も
下向
(
したむき
)
になって
燐寸
(
マッチ
)
を
擦
(
す
)
る。
刹那
(
せつな
)
に藤尾の
眸
(
ひとみ
)
は宗近君の額を射た。宗近君は知らない。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうさう
下向
(
したむき
)
に
寝返
(
ねがへ
)
りを仕初めたのも這ひ出したのも一緒の日からでしたね、牛乳を飲む時には教へられないのに瓶を持ち合つて上げましたね、あなた
方
(
がた
)
はね
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それから飛びつくように上半身を
撓
(
たわ
)
めて乗り出すと、片手を窓枠にしっかと、片手を思いきり
下向
(
したむき
)
に伸ばし伸ばし、うるさく垂れさがる亜麻色の髪毛をまた、幾度か振り立てて笑った。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
敬太郎はこの気楽そうな男の
口髭
(
くちひげ
)
がだらしなく
濡
(
ぬ
)
れて一本一本
下向
(
したむき
)
に垂れたところを眺めながら
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一は
上
(
のぼ
)
ったままの姿勢をくずさずに尾を下にして降りる。人間に問うがどっちがむずかしいか知ってるか。人間のあさはかな
了見
(
りょうけん
)
では、どうせ降りるのだから
下向
(
したむき
)
に馳け下りる方が楽だと思うだろう。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“下向”の意味
《名詞》
高い方から低い方へいくこと。
都から地方へ下ること。
社寺に参詣して帰ること。
(出典:Wiktionary)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“下向”で始まる語句
下向路
下向山
下向候処