三箇日さんがにち)” の例文
あるひは飲過ぎし年賀の帰来かへりなるべく、まばらに寄する獅子太鼓ししだいこ遠響とほひびきは、はや今日に尽きぬる三箇日さんがにちを惜むが如く、その哀切あはれさちひさはらわたたたれぬべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
必勝の進軍、間近し。初春はる三箇日さんがにちは、大いに飲み、大いに心胆を養っておくがよろしい
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子供が三箇日さんがにちにも着物を着換える事ができないのだそうだ。仕方がない。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三箇日さんがにちと新年宴會の五日は、會社も休みだつた。大晦日おほみそか迄はたてこんでゐた醉月も、元日には客といつては三田一人で、三番の野呂も休暇を利用して東京にゐる妻子のところへ行つてしまつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)