三津みと)” の例文
その村の少し手前の江の浦重寺しげでら三津みとなどの漁村には所謂いはゆる避暑地としての善惡それ/″\の發展が見えてゐましたが、その古宇村にはまだ全然それらの影響がありませんでした。
樹木とその葉:33 海辺八月 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
沼津に向って、浦々の春遅き景色をはしらせる、……土地の人は(みっと)と云う三津みとの浦を、いま浪打際とほとんどすれすれに通るところであった。しかし、これは廻りみちである。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三津みとの浜ゆふさりつかたありくと絵をく友のそばに寄りゆく
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
江の浦から曲りくねつた海岸ぞひの路を更に一里半行くと三津みとといふ船着場があるが、其處は料理屋兼業其他の三四の宿屋があり、小さくはあるが洋式の三津ホテルといふもある。
駿河灣の奧、靜浦から江の浦に續く入江の岸に三津みとといふ漁村があり、其處の海に臨んだ高みに何とかいふ古い寺がある。その門のところに相對して立つた二本の巨大な枝垂櫻がある。
花二三 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)