万能まんのう)” の例文
旧字:萬能
飛行場は陸軍省に属して居ても、官営万能まんのう𤍠にかゝつて居る日本と違つて格納庫も其れに納めてある飛行機もすべて私人の所有である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「僕が待ち伏せをしていたとでも思ってるんですか、冗談じょうだんじゃない。いくら僕の鼻が万能まんのうだって、あなたの湯泉に入る時間まで分りゃしませんよ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
元来万能まんのうだの万力まんりきだのという農具は、みなこのマンバと同様の宣伝名で、すなわちそれがすでに商品として彼らに供給せられたことを語るものである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
天秤籠にどさんと堆肥を盛り上げ、その上へ万能まんのうや泥掻きなどを突き差して担いだ親父の浩平は、そのときすでに部落を横へ出抜けて、田圃へ下りる坂道にかかっていた。
(新字新仮名) / 犬田卯(著)