万乗ばんじよう)” の例文
旧字:萬乘
当時はこれが、無上の佳味として、上は万乗ばんじようの君の食膳にさへ、上せられた。従つて、吾五位の如き人間の口へは、年に一度、臨時の客の折にしか、はいらない。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
二九万乗ばんじようの君にてわたらせ給ふさへ、三〇宿世すくせごふといふもののおそろしくもそひたてまつりて、罪をのがれさせ給はざりしよと、世のはかなきに思ひつづけて涙わき出づるがごとし。