七歳しちさい)” の例文
今年七歳しちさいの良平は生まれた家の台所に早い午飯ひるめしきこんでいた。すると隣の金三きんぞうが汗ばんだ顔を光らせながら、何か大事件でも起ったようにいきなり流し元へ飛びこんで来た。
百合 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
七歳しちさい保吉やすきちは息もつかずに、テエブルの前へ及び腰になった主人の手もとを眺めている。綺麗きれいに髪を左から分けた、妙に色の蒼白い主人の手もとを眺めている。時間はやっと三時頃であろう。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)