丁酉ていゆう)” の例文
「性蓮院妙相日縁信女、父本皓、母渋江氏、安永あんえい六年丁酉ていゆう五月三日しす、享年十九、俗名千代、作臨終歌曰りんじゅううたをつくりていわく云々うんぬんとしてあるのは、登勢の生んだ本皓のむすめである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
天保八年丁酉ていゆう 米穀騰貴。二月、大塩平八郎乱を大坂に起す。四月、家慶いえよし征夷大将軍に拝す〔慎徳公〕。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「男爵も此の時分はまだ御盛ごさかんであったな。丁酉ていゆうとし季春きしゅんというとわしが辞職する前の年だ。」
春雨の夜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
天保八年丁酉ていゆう二月十一日に大窪詩仏が七十一歳で下谷練塀小路の家に没した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
然るに安永六年丁酉ていゆうに四十、寛政四年壬子じんしに五十五、同九年丁巳ていしに六十四、歿年に八十三と書してある。これは生年から順算すれば、四十三、五十八、六十三、八十二でなくてはならない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)