一騎打いっきうち)” の例文
向うものが運命なら運命のぎりぎりの根元のところへ、向うものが事情なら、これ以上割り切れない種子のところに詰め寄って、掛値かけねなしの一騎打いっきうちの勝負をしよう。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
此処こゝ一騎打いっきうち難所なんじょで、右手めてほうを見ると一筋ひとすじの小川が山のふもとめぐって、どうどうと小さい石を転がすようにすさまじく流れ、左手ゆんでかたを見ると高山こうざん峨々がゞとして実に屏風を建てたる如く
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
襖一重は一騎打いっきうちで、座敷方では切所せっしょを防いだ、其処の一段低いのも面白い。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)