一筒いっとう)” の例文
医者はこう云ったがまた一筒いっとうの注射を心臓部に試みた。もとよりそれは何の手段にもならなかった。松本はとおるような娘の肌に針の突き刺される時、おのずから眉間みけんけわしくした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)