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一往
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いちおう
ふりがな文庫
“
一往
(
いちおう
)” の例文
ここで
一往
(
いちおう
)
敏子の今日の行動を順に並べてみると、———午後三時、口実を設けて私を外へ出してしまう。次に小池さんを風呂へ行かせる。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「実はこの事は、ほんまは光子さんから申さんならんのんですが、僕は僕の立ち場として説明せんならん思いますのんで、
一往
(
いちおう
)
聞いて下さいませんか」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
だから既に十三歳にも達した法師丸が、その美に酔わされたことは
一往
(
いちおう
)
訝
(
あや
)
しむに足りないけれども、彼はその上にも、普通の男子には有り得ない極端な感情を経験した。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
平中は
古今集
(
こきんしゅう
)
その他の勅撰集に多くの和歌を
遺
(
のこ
)
しているし、系図も
一往
(
いちおう
)
明かであるし、その頃のいろ/\の物語に現れて来るので、実在した人物であることは
紛
(
まぎ
)
れもないが
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そう云ってもお宅さんの手で
一往
(
いちおう
)
お調べになるに越したことはないけれども、結婚がおくれた原因は全く器量好みのためで外に理由はないと云うのが、矢張ほんとうらしく思える。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
あたしはそこらの人たちのように、あなたの名を聞いて直ぐ嬉しがるような女ではない、と云うところを見せたいのであろうが、
一往
(
いちおう
)
その意地を通しさえすればよいのではないか。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「デハコレノ現像ヲ頼ム、絶対ニ誰ニモ見セナイデスベテヲ君自身デシテクレタマエ。現像シタノヲ
一往
(
いちおう
)
見セテ貰ッタ上デ、中カラ面白イモノヲ選ンデ手札型ニ引キ伸バシテ貰ウ」
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
人に語らない私も
一往
(
いちおう
)
は
尋
(
たず
)
ねてみたが佐助さんはお師匠様を始終美しい器量のお方じゃと思い込んでいやはりましたので私もそう思うようにしておりましたと云い
委
(
くわ
)
しくは教えてくれなかった
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私に
打
(
ぶ
)
つかる前に
一往
(
いちおう
)
取り調べてやろ思て秘密探偵に頼んだとこが、そんな商売大阪にかって
仰山
(
ぎょうさん
)
あれしませんさかい、こないだ光子さんが頼みなさったのんと同じとこい行ってしもたのんで
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夫が私をそういう眼で見るのも
一往
(
いちおう
)
無理のないところがある。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
往
常用漢字
小5
部首:⼻
8画
“一往”で始まる語句
一往復