一喫いっきつ)” の例文
義元は、早くも同朋の者がかしてさし出した茶を一喫いっきつしながら、何か、石火矢いしびやでも撃ったようなとどろきに、眼をうごかした。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女に付きまとっていた家雀いえすずめは、兼好の膝や机の上に移って、彼が食べこぼす麦粉を拾ってついばむことで夢中になり、彼は一喫いっきつの茶のうちに、ふと、彼女の俯し目がちな面に
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)