一列ひとなら)” の例文
風下に立つと、日向のトマトの一列ひとならびがほのかに匂つた。十四五の男の子が一人、經木帽をかぶつて、トマトの芽を摘んだり、黄色の小さな花を間引いたりしてゐる。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
一列ひとならび、むしろの上を六尺ばかり、ぐるりと廻る。手足も小さくあどない顔して、目立った仮髪かつらまげばかり。麦藁細工むぎわらざいくが化けたようで、黄色の声でせた事、ものを云う笛を吹くか、と希有けぶに聞える。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まへを、一列ひとならびに、ふら/\と通懸とほりかゝつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)