それが、まだ一番鶏いちばんどりも鳴かないのに、こっそり床をぬけ出して、酒臭いくちびるに、一切衆生いっさいしゅじょう皆成仏道かいじょうぶつどうの妙経を読誦しようとするのである。……
道祖問答 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その正しき意味のごとく実行せられ、そしてその智慧と道徳とをますます進めてついに一切衆生いっさいしゅじょう大帰依主たいきえしゅとなり
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
彼が『正法眼蔵仏性』においてまず考察するのは、「一切衆生いっさいしゅじょう悉有仏性しつうぶっしょう如来常住にょらいじょうじゅう無有変易むうへんやく」という涅槃経ねはんぎょう(巻二十五、師子吼菩薩品の一)の言葉である。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
狗児くじにも仏性ぶっしょうありというのだから、老猫も一切衆生いっさいしゅじょうの中の一物ではある。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なおまた有縁無縁うえんむえん一切衆生いっさいしゅじょう菩提成就ぼだいじょうじゅを願うために読経回向どきょうえこうを致しました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)