“ろうざいく”の漢字の書き方と例文
語句割合
蝋細工100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しなくなした前垂まえだれがけの鶴さんや、蝋細工ろうざいくのように唯美しいだけの浜屋の若主人に物足りなかったお島の心が、小野田のそうした風采ふうさいに段々惹着ひきつけられて行った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ちょうど蝋細工ろうざいくの新婦の人形があって、首筋をあらわにしオレンジの花を頭につけ、窓ガラスの中で二つのランプの間にぐるぐる回りながら、通行人に笑顔えがおを見せていた。
讓は何時いつの間にか土間どまへ立っていた。背の高い蝋細工ろうざいくの人形のような顔をした、黒い数多たくさんある髪を束髪そくはつにした凄いようにきれいな女が、障子しょうじ引手ひきてもたれるようにして立っていた。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)