“やくもごと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
八雲琴80.0%
八雲箏20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前なるお美津は、小鼓に八雲琴やくもごと、六人ずつが両側に、ハオ、イヤ、と拍子を取って、金蒔絵きんまきえ銀鋲ぎんびょう打った欄干づき、やぼねも漆の車屋台に、前囃子まえばやしとて楽を奏する、その十二人と同じ風俗。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ってでる敵はなかったが、どこからともなく幽玄ゆうげん妙音みょうおんをまろばしてくる八雲琴やくもごとがあった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
塀にもたれて、考えこんでいると、奥ふかい邸の木の間からみやびた八雲箏やくもごとの音が、良人つまこいしとくように洩れてきた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まず彼女の父の消息をたずね、江漢老人との旧交ぶりを語り、床の間に見える八雲箏やくもごとから、琴の話、挿花いけばなの批評、東都の感想、江戸と上方との流行の差などほとんど尽くるところがない。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)