“むらさきがわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
紫川66.7%
紫革33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初めは、聞長浜きくのながはまにしようか、紫川むらさきがわの河原にしようか、などと所々、御評議にのぼったが、とても左様な手狭な場所では、たとい矢来を
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
がらがらと音がして、汽車が紫川むらさきがわの鉄道橋を渡ると、間もなく小倉の停車場に着く。参謀長を始め、大勢の出迎人がある。一同にそこそこに挨拶をして、室町むろまち達見たつみという宿屋にはいった。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
もう役所は午引ひるびけになっている。石田は馬に蹄鉄ていてつを打たせに遣ったので、司令部から引掛ひきがけに、紫川むらさきがわ左岸さがんの狭い道を常磐橋ときわばしの方へ歩いていると、戦役せんえき以来心安くしていた中野という男に逢った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
金の入っている紫革むらさきがわの巾着と中条流の目録と、そして先刻さっきの印籠と、こう三つの品は、去年の夏伏見城の工事場で、大勢のために虐殺されたあごのない武者修行の死骸から抜き取って来たものだった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)