“むじょうじんそく”の漢字の書き方と例文
語句割合
無常迅速100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はこの眼鏡と共に、いつでも母の背景になっていた一間いっけんふすまおもす。古びた張交はりまぜうちに、生死事大しょうじじだい無常迅速むじょうじんそく云々と書いた石摺いしずりなどもあざやかに眼に浮んで来る。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
土曜日に別れて月曜日に会ったら、もう一生の伴侶がきまっている。電光石火だ。昨日まで丈夫で、今日死ぬ人もある。しかしこれは無常迅速むじょうじんそくの不可抗力だ。結婚は問題が違う。自由選択がく。
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
二階の梯子段はしごだんは、母の大眼鏡と離す事のできない、生死事大しょうじじだい無常迅速むじょうじんそく云々と書いた石摺いしずり張交はりまぜにしてあるふすまの、すぐうしろについているので、母は私の声を聞きつけると、すぐ二階へ上って来てくれた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
生死事大しょうしじだい無常迅速むじょうじんそく、あきらめるさ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)