“まちよりき”の漢字の書き方と例文
語句割合
町与力100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余燼よじんは消されつくしても、まだ人の不安と怖ろしい昨夜ゆうべの騒ぎは消えていない。火消改めの提灯ちょうちんだの町与力まちよりきの列だの、お布施米ふせまいの小屋だのが、大変な混雑である。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
迎方むかへかたとは新任の奉行を迎へに江戸に往つて、町与力まちよりき同心どうしんの総代として祝詞しゆくしを述べ、引き続いて其奉行の在勤中、手許てもとの用をす与力一にん同心二にんで、朝岡は其与力である。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
夜のあける頃には町与力まちよりきも出張した。品川は代官の支配であったが、事件が事件だけに、町方も立ち会ってかたのごとくに検視を行なうと、お駒はやはり絞め殺されたものに相違なかった。
半七捕物帳:31 張子の虎 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
町与力まちよりきは武芸を以て奉公してゐる上に、隠居平八郎は玉造組たまつくりぐみ与力柴田勘兵衛しばたかんべゑの門人で、佐分利流さぶりりうやりを使ふ。当主格之助は同組同心故人藤重孫三郎ふぢしげまごさぶらうの門人で、中島流の大筒おほづゝを打つ。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)