“ほのあお”の漢字の書き方と例文
語句割合
仄青100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おもやつれしている品のよい母の顔は、梨の花みたいに仄青ほのあおかった。長い石垣には、こけの花がポチポチ見え、土塀のうえのこずえ黄昏たそがれかけていて、邸のうちから燈火あかりがもれている。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
繻子しゅす天鵞絨びろうどか、暗夜やみよからす模様かと思われるほど真黒いスクリーンの左上の隅に、殆ど見えるか見えない位の仄青ほのあおい、蛍のような光りの群れが、不規則な環の形になって漂うているのが
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そう云った軍医大佐の片頬には、何かしら……冷笑らしいものが浮かんでいるように思ったが……しかしそれは極度に神経を緊張させていた私の錯覚か、又は仄青ほのあおい光線の工合ぐあいであったかも知れない。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)