“べにざら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
臙脂皿50.0%
紅皿25.0%
脂盒25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春の訪れをかたくこばんで、昼もしとみをおろし、鏡は袋に、臙脂皿べにざらや櫛ははこのうちにふかくひそめられたまま、几帳きちょうの蔭に、春はこれからのうら若い佳人が、黒髪のなかに珠の容貌かおを埋めて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時雄の書斎にある西洋本箱を小さくしたような本箱が一閑張いっかんばりの机の傍にあって、その上には鏡と、紅皿べにざらと、白粉おしろいびんと、今一つシュウソカリの入った大きな罎がある。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
机を南の窓の下、本箱をその左に、上に鏡やら紅皿べにざらやらびんやらを順序よく並べた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
そのあなたを私が想うようになりました、ある晩、暗い所で、あなたをお待ちしていて、綉羅うすぎぬ銭篋ぜにばこを差しあげますと、あなたは私に、瑇瑁たいまい脂盒べにざらをくださいました、二人の間は
緑衣人伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)