紅皿べにざら)” の例文
時雄の書斎にある西洋本箱を小さくしたような本箱が一閑張いっかんばりの机の傍にあって、その上には鏡と、紅皿べにざらと、白粉おしろいびんと、今一つシュウソカリの入った大きな罎がある。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
机を南の窓の下、本箱をその左に、上に鏡やら紅皿べにざらやらびんやらを順序よく並べた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
別れた日のように東の窓の雨戸を一枚明けると、光線は流るるように射し込んだ。机、本箱、びん紅皿べにざら、依然として元のままで、恋しい人はいつもの様に学校に行っているのではないかと思われる。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)