“ふたえみえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
二重三重100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
九十九折つづらおりの薄暗い迷路の中で、道に迷って泣き出しそうになっていた折も折、隙見も叶わぬ立木の壁の、つい二重三重ふたえみえ向側で、恐ろしい事件が起ったのだ。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
長造が、新聞紙をバリバリあける手許てもとに、一座のひとみあつまった。二重三重ふたえみえの包み紙の下から、やっと引出されたのは、ゴムと金具かなぐとで出来たおめんのようなものだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これまで例の口のはた括弧かっこ二重三重ふたえみえにして、妙な微笑を顔にたたえて、葉巻のけむりを吹きながら聞いていた綾小路は、煙草の灰を灰皿に叩き落して、身を起しながら、「駄目だ」と、簡単に一言云って
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)