“のだち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
野館60.0%
野太刀20.0%
野立20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遠江の橋本宿は吾妻鏡あづまかがみにも見える遊女の本場だが、気がむけばそのまま遠江まで足をのばすという寛濶さで、馬で疲れると、行きあう馬をひったくり、群盗の野館のだちのあるところは
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おもきを誇りし圓打まるうち野太刀のだちも、何時しか銀造しろがねづくりの細鞘にそりを打たせ、清らなる布衣ほいの下に練貫ねりぬきの袖さへ見ゆるに、弓矢持つべき手に管絃の調しらべとは、言ふもうたてき事なりけり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そのいにしへ蒲生飛騨守氏郷がもうひだのかみうじさとこの処に野立のだちせし事有るにりて、野立石のだちいしとは申す、と例のが説出ときいだすを、貫一はうなづきつつ、目を放たず打眺うちながめて、独りひそかに舌を巻くのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)