“とくえもん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
得右衛門66.7%
徳右衛門33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
でも寿平次方ではわずかに類焼をまぬかれたばかりで、火は本陣の会所まで迫ったという。わき本陣の得右衛門とくえもん方は、と見ると、これは大火のために会所の門を失った。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あの浪人はぐでぐでに酔って、その足で扇屋へもぐずり込んで、とうとう得右衛門とくえもんさんの家に寝込んでしまったそうですよ。見たまえ、この街道筋にもえらい事がありますぜ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
本陣付属の問屋場もにわかに閑散になって、到着荷物の順を争うがやがやとした声も沈まって行った時だ。隣宿妻籠つまごからの二人の客がそこへ見えた。妻籠本陣の寿平次と、わき本陣の得右衛門とくえもんとだ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それから囲炉裏ばたにかしこまって、主人らのしたくのできるのを待った。寿平次は留守中のことをわき本陣の扇屋おうぎやの主人、得右衛門とくえもんに頼んで置いて、柿色かきいろ黒羅紗くろらしゃえりのついた合羽かっぱを身につけた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
むかし筑前ちくぜんの国、太宰府だざいふの町に、白坂徳右衛門とくえもんとて代々酒屋を営み太宰府一の長者、その息女おらんの美形ならびなく、七つ八つのころから見る人すべて瞠若どうじゃく
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)