“得右衛門”の読み方と例文
読み方割合
とくえもん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
でも寿平次方ではわずかに類焼をまぬかれたばかりで、火は本陣の会所まで迫ったという。わき本陣の得右衛門とくえもん方は、と見ると、これは大火のために会所の門を失った。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あの浪人はぐでぐでに酔って、その足で扇屋へもぐずり込んで、とうとう得右衛門とくえもんさんの家に寝込んでしまったそうですよ。見たまえ、この街道筋にもえらい事がありますぜ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
本陣付属の問屋場もにわかに閑散になって、到着荷物の順を争うがやがやとした声も沈まって行った時だ。隣宿妻籠つまごからの二人の客がそこへ見えた。妻籠本陣の寿平次と、わき本陣の得右衛門とくえもんとだ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)