“でくのぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
木偶坊44.4%
土偶11.1%
土偶像11.1%
担板漢11.1%
木偶11.1%
木偶漢11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人民どもよ聞いてはいけない。将軍家よいってはいけない。人民どもよいってはいけない。一口にいえば上をも下をも木偶坊でくのぼうに仕立てようとしているのだがこいつは非常に危険だ。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
土偶でくのぼうの集りのやうな芝居を見せられると、ことにさういふ気がするのである。藤村君の『一夜』あゝいふ作がその中に舞台に上されたらなどゝ思ふのである。
社会劇と印象派 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「千の金を献上する約束をしてきたが、千ありゃ、十晩の費用が出る、土偶像でくのぼうにくれてやるは惜しいじゃないか」
賭博の負債 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼奴は悟りの分らない担板漢でくのぼうだなどと言つて般若湯はんにゃとうで気焔をあげてもゐられるけれども、然し、かういふ約束の足場は確固不動のものではないから
(だから俺はこの男を——将軍という名ばかり持って、その実木偶でくのぼうに過ぎない男を、早く片付けようと思っているのだ)
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大佐は彼にとってはひとりの「無頼漢」であり、彼は大佐にとってひとりの「木偶漢でくのぼう」にすぎなかった。