木偶坊でくのぼう)” の例文
そして殊に眼前にただ木偶坊でくのぼうのように驚愕きょうがくしている兄の様子が、何とも言えず腹立たしくて、私はまた頭を掻きむしりたいような気持であった。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
人民どもよ聞いてはいけない。将軍家よいってはいけない。人民どもよいってはいけない。一口にいえば上をも下をも木偶坊でくのぼうに仕立てようとしているのだがこいつは非常に危険だ。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
良平は、がやがや首をあつめている町人たちを、木偶坊でくのぼうのように見て
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この木偶坊でくのぼうはよつぽど圖々しい奴に違ひないわ。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)