“てきれき”の漢字の書き方と例文
語句割合
的皪100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と例の桜のつえで、杉の間を指す。天を封ずる老幹の亭々と行儀よく並ぶ隙間すきまに、的皪てきれき近江おうみうみが光った。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「実はな、敦賀つるがまで、お連れ申さうと思うたのぢや。」笑ひながら、利仁は鞭を挙げて遠くの空を指さした。その鞭の下には、的皪てきれきとして、午後の日を受けた近江あふみの湖が光つてゐる。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
また的皪てきれきと春に照る梅を庭に植えた、また柴門さいもん真前まんまえを流れる小河を、垣に沿うてゆるめぐらした、家を見て——無論画絹えぎぬの上に——どうか生涯しょうがいに一遍で好いからこんな所に住んで見たいと
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)