“てかせあしかせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手枷足枷50.0%
手械足枷50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに、彼女に手枷足枷てかせあしかせをはめてゐる政略的ひもはあつても、彼女を逃亡させようとする情夫ひもは一人もなかつたのだ。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
診察服を着けたまま手足を狂人用鉄製の手枷足枷てかせあしかせを以て緊縛し、折柄の満潮に身を投じたものらしく、死後約三時間を経過しているので救急の法もほどこしようがなかった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と咄嗟に、私にも蒼空の下には飛び出せない我身の永劫えいごふのがれられぬ手械足枷てかせあしかせが感じられ、堅い塊りが込み上げて来て咽喉のどもとがつかへた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
さま/″\の手械足枷てかせあしかせで、人を責めようとする窮屈な世の中、くもの巣にかゝつた蝶々蜻蛉もおなじことで、命とたのむ花の露も吸はれず、羽翅はがひをしばられて悶死もがきじに
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)