“たけぐら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
竹蔵75.0%
竹倉25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五位鷺ごいさぎ飛んで星移り、当時は何某なにがしの家の土蔵になったが、切っても払っても妄執もうしゅう消失きえうせず、金網戸からまざまざと青竹が見透かさるる。近所で(お竹蔵たけぐら。)と呼んでおそれをなす白壁が、町の表。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
竹林といっても、それは叢々とした樹林ではなく、丸太林まるたばやしを交ぜた大きな材木屋の青々とした竹蔵たけぐらです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殊に僕の住んでゐたのは「お竹倉たけぐら」に近い小泉町こいづみちやうである。「お竹倉」は僕の中学時代にもう両国停車場や陸軍被服廠ひふくしやうに変つてしまつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし広い「お竹倉たけぐら」をはじめ、「伊達様だてさま」「津軽様つがるさま」などといふ大名屋敷はまだ確かに本所の上へ封建時代の影を投げかけてゐた。……
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かういふ種々の悲劇のあつたのはいづれも昔の「お竹倉たけぐら」の跡である。僕の知つてゐた頃の「お竹倉」は大体「御維新ごゐしんぜんと変らなかつたものの、もう総武そうぶ鉄道会社の敷地のうちに加へられてゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)