“すりばりとうげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
摺針峠60.0%
磨針峠40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが山奥の伊勢ざかいまで聞えて、はやくも美濃近江の要路、摺針峠すりばりとうげから番場へかけ、こんな結集をみせたのは、どうもただの烏合うごうしゅうにしては出来すぎている。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
輿こしは、摺針峠すりばりとうげの上で、あれから、一ト息入れてでもいたのだろうか、同勢、だいぶ遅れているらしい。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「畜生谷を通過したからとて、身が畜生になるわけではあるまい、もしそうだとすれば、狼谷を通れば狼に食われ、磨針峠すりばりとうげを通れば自分の身が針になる」
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ゆうべは近江おうみ愛知川えちがわ宿しゅくだった。そして今日も、春の日長にかけて行けば、美濃との境、磨針峠すりばりとうげの上ぐらいまでは、脚をのばせぬこともないと、馬上、うすずきかける陽に思う。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)