“すきぐし”の漢字の書き方と例文
語句割合
梳櫛100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宿の浴衣ゆかたに市松の伊達巻だてまき姿で鏡の前にすわりながら、まげのあたまを梳櫛すきぐしでているお久のそばに、老人はビラを膝の上に載せて、老眼鏡のケースを開けたところである。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しみじみと身に染みるもの、油、香水、痒ゆきところに手のとどく人が梳櫛すきぐし。こぼれ落ちるものは頭垢ふけと涙、湧きいづるものは、泉、乳、虱、接吻くちづけのあとのおくび、紅き薔薇さうびの虫、白蟻。
第二真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「みっちゃん」とおつねが梳櫛すきぐしを使いながら云った、「失礼よ、なべさんだなんて」
ひとでなし (新字新仮名) / 山本周五郎(著)