“しょういつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小乙33.3%
正五33.3%
消逸33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「こ、こんなボロ、垢面あかづら、素はだし。お見忘れも無理ではございません。私は小乙しょういつ(総領むすこをいう世間の愛称)です。小乙の燕青えんせいです」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なるほど、今上きんじょうの大御心は、そこにあるのでしょうな。お……小乙しょういつ(燕青)。熱いのをもひとつ持っていらっしゃい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おれは今まではたけにいたが、餅草もちぐさどころじゃあらすか。きょうのお通りは正五しょういつどきだげな。殿様は下町の笹屋ささやの前まで馬にっておいでで、それから御本陣までお歩行ひろいだげな。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その快味の消逸しょういつを惜しむように、斬った刹那の構えをくずさず、白い刃の肌にギラつくあぶらと、のた打つ影とを等分に眺めながら、ニイ……とくちをゆがめて笑う。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)