“さんぴつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
算筆100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ず爰に出入の者の内に古着渡世ふるぎとせいの者有りしが彼が周旋せわにて富澤町に甲州屋吉兵衞と云ふ古着渡世の者の次男じなんに千太郎と呼て當年二十歳になり器量きりやうと云ひ算筆さんぴつと云ひ殊に古着渡世なれば質屋にもちなみ有て申分なき若者成れば御當家の御養子やうしにせられては如何にやと相談さうだん有りけるに五兵衞は彼の持參金のなきより縁談えんだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「本当のこんだよ、奥さん。読み書き算筆さんぴつのできるものは、おれよりほかにねえんだからね。全く非道ひどい所にゃ違ない」と真面目に細君の云う事を首肯うけがった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
古風な言葉で形容すれば、ただ算筆さんぴつに達者だという事の外に、大した学問も才幹もない彼が、今時の会社で、そう重宝がられるはずがないのに。——健三の心にはこんな疑問さえいた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)