“さしぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
差含33.3%
涙組33.3%
漸含33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宮は差含さしぐむ涙をすすれり。尽きせぬかなしみを何時までか見んとやうに荒尾はにはかに身支度して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
差含さしぐむ涙に彼の声はふるひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一人が涙組さしぐめばみなそれについて涙を流す。重吉もたまりかねて甲板に上り、舷に額をあてて声を忍ばせて泣いた。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼の階子はしごを下り行くとひとしく貴婦人は再びグラスを取りて、葉越はごしの面影を望みしが、一目見るより漸含さしぐむ涙に曇らされて、たちま文色あいろも分かずなりぬ。彼は静無しどなく椅子に崩折くづをれて、ほしいままに泣乱したり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)