“こわた”の漢字の書き方と例文
カタカナ:コワタ
語句割合
古渡100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、骨董好きが古渡こわたりの茶盌ちやわんでも見るやうな、うつとりした眼つきで自分の手首に穿はまつた手錠に見惚みとれてゐる。
「全く退屈ぢやありませんか、ね親分。こんな古渡こわたりの退屈を喰つちや、御用聞は腕がにぶるばかりだ。なんか斯う胸へドキンと來るやうな事はないものでせうか」
かたの如く結城ゆふき単衣物ひとへものに、八反の平ぐけを締めたのが、上に羽織つた古渡こわた唐桟たうざんの半天と一しよに、その苦みばしつた男ぶりを、一層いなせに見せてゐる趣があつた。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)