“けはな”の漢字の書き方と例文
語句割合
蹴放100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
咄嗟とっさの間にソレだと思って狼狽したらしい。ガブリと潮水を呑まされながら、死に物狂いに蹴放けはなして、無我夢中で舟に這い上ると、ヤット落付いてホッとしたもんだが……
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
冬子も恩人の危険を見てはられぬ、這いながら一人いちにんの足に絡み付くと、𤢖は鉄のような爪先で強く蹴放けはなしたので、彼女かれ脾腹ひはらいためたのであろう、一旦は気を失って倒れた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
乙平は捨てて置けなくなったので、手早く身体を拭いて帷子かたびらを引掛け、刀を掴み取る暇もなく素跣足すはだしのまま庭へ飛び下り、黒部の柴折戸しおりど蹴放けはなすようにして隣の庭へ飛び込んで行った。