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ぐんそつ
今——このかげから四、五人の
軍卒、
鎖具足に血のにじんだ
鉢巻をして、手に手に
鍬や
鋤をひッさげ、バラバラと陣屋へ
駈けだしてきた。
多宝塔を中心として、
施無畏寺の庭に陣ぞろいした
武田の
軍勢は、
手負い
討死の
点呼をしたのち、
伊那丸の命令一下に、またも一部の
軍卒が、法師野の部落を八方にかけわかれる。
「ア、ア、ア!」とばかり、
捕手の
軍卒がおどろきさわぐうちに、一ど、
雲井へたかく舞いあがった
魔鳥は、ふたたびすさまじい
天颷をまいて
翔けおりるや、するどい
爪をさかだてて、
旋廻する。