“くもぎり”の漢字の書き方と例文
語句割合
雲霧100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは初夏の明るい日で開け放した障子しょうじの外はすぐ山路やまみちになっていて、そこをあがりおりする人の影が時とすると雲霧くもぎりのようにうっすらした影をいた。
竈の中の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
今宵逗留せよと云われたを幸い、今一度あなたのお目にかかって、迷いの雲霧くもぎりるるように、御意見申すが法師の務めじゃ。(思案して)まずその前に御陵に参拝いたそうか。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
道は草の峰になり、岩のそびえた渓川たにがわの間になり、大木のい茂った真暗な林になるなど、眼まぐるしく往く道が変化した。寒い風が吹き、雲霧くもぎりが飛び、星が見えたり隠れたりした。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)