“くしこうがい”の漢字の書き方と例文
語句割合
櫛笄100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或時は自分と全く交渉のない、珊瑚樹さんごじゅ根懸ねがけだの、蒔絵まきえ櫛笄くしこうがいだのを、硝子越ガラスごしに何の意味もなく長い間眺めていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夫の帰らぬそのうちと櫛笄くしこうがいも手ばしこく小箱にまとめて、さてそれを無残や余所よそくらこもらせ、幾らかの金懐中ふところに浅黄の頭巾小提灯こぢょうちん闇夜やみよも恐れず鋭次が家に。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私の母から譲られた形見の櫛笄くしこうがい、亡夫の腰の物のうち、不用の品を売払って八両の金を纏め、かねて約束の中坂の藤井様にお届けするはずで、黄八丈の財布に入れたまま