“きえんさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
稀塩酸66.7%
稀塩散33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あなたが立上たてがみ氏を呼んだと聞くとその夜、兄は夜半よなかにそっと起きあがって、稀塩酸きえんさんでじぶんの眼をつぶそうとしているのです。必死なようすでしたわ。
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そればかりではない建物のほとんど一丁四方ほどは、道も雑草もみんな死灰にまみれ、それが日光の下でひどく匂っている、稀塩酸きえんさんを朽木にませたようにせっぽい酸い匂いだ。
蛮人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
すると医者の内弟子うちでしで薬局、拭掃除ふきそうじもすれば総菜畠そうざいばたけいもる、近い所へは車夫も勤めた、下男兼帯げなんけんたいの熊蔵という、そのころ二十四五さい稀塩散きえんさん単舎利別たんしゃりべつを混ぜたのをびんに盗んで
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)