“えんさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怨嗟96.1%
縁先3.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この男の呪いと怨嗟えんさの対象は、昔自分に一顧も払わなかったアンジェリカというその初恋の女にかかっていくらしく思われました。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
朝野ちょうやともようやく安堵あんどの思いをしたところ、またまた大兵を動かすとあっては諸大名の困窮、万民の怨嗟えんさはまことに一方ひとかたならないことで
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
斯く張札はりふだして置いた。稀には飼犬を縁先えんさきの樫の木につないで置くこともあったが、多くは郵便箱に留守をさした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
おれはそれを見た、そう言って多門は屋敷の中へ這入ったが、しばらくして寝所ねどこ縁先えんさきでちらりと影を見た。そこの雨戸が一枚られてあって、暗い闇が口を開けていました。
ゆめの話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)