縁先えんさ)” の例文
斯く張札はりふだして置いた。稀には飼犬を縁先えんさきの樫の木につないで置くこともあったが、多くは郵便箱に留守をさした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
おれはそれを見た、そう言って多門は屋敷の中へ這入ったが、しばらくして寝所ねどこ縁先えんさきでちらりと影を見た。そこの雨戸が一枚られてあって、暗い闇が口を開けていました。
ゆめの話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)