“うまごやし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苜蓿82.6%
糞堆4.3%
苜宿4.3%
苜蓿花4.3%
馬肥4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここは夏の初めになると苜蓿うまごやしが一面にはえる。与次郎が入学願書を持って事務へ来た時に、この桜の下に二人の学生が寝転んでいた。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
四辺あたりはひっそりと静まりかえって、答えるものとてはただ、人声ひとごえで目をさました雄鶏が糞堆うまごやしの上でけたたましく鳴いたのと、頸を高くもたげて月に遠吠えする犬の声ばかり。
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
私はお前の兄たちと、苜宿うまごやしの白い花の密生した原っぱで、ベエスボオルの練習をしていた。お前は、その小さな弟と一しょに、遠くの方で、私たちの練習を見ていた。
麦藁帽子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
途端とたんに休憩後の演奏は始まる。「四葉よつば苜蓿花うまごやし」とか云うものである。曲の続く間は高柳君はうつらうつらと聴いている。ぱちぱちと手が鳴ると熱病の人が夢からめたように我に帰る。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうして周りの、紫の玉を綴った紅苜蓿べにつめぐさや、四つ葉の黄の花の馬肥うまごやしやとすれすれに落ちついたいい静まりを匂わしていた。あの水を緬羊も飲みに近寄るのだなと私はまた透かして見た。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)