“うつしだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
映出66.7%
写出33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが、その貝の口を細く開いた奥に、白銀しろがねの朧なる、たとえば真珠の光があって、その影が、かすか暗夜やみよに、ものの形を映出うつしだす。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜目には縁も欄干らんかん物色うかがわれず、ただその映出うつしだした処だけは、たとえば行燈の枠のげたのが、朱塗しゅぬりであろう……と思われるほど定かに分る。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は『釈迦譜しゃかふ』を選んだ。あの本の中には、王子の一生が一篇の戯曲ドラマを読むように写出うつしだしてある。あの中から私は釈迦の父王の話、王子の若い友達の話なぞを借りて来て話した。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)