“うちかくし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
内衣嚢50.0%
内兜16.7%
内衣兜16.7%
内隠袋16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は心の中にわくわくするようないやな気分を持ちながらも、割合に落ち着いた挙止でそれだけの仕事をすませた。そして机の上にあった三通の手紙を洋服の内衣嚢うちかくしに大事にしまいこんだ。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼はふと金がどうかなっていはしないかと思ったが、そこでしらべることも出来ないので、それを上衣の内兜うちかくしに入れ、時計を手首に着けた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
謙作は廊下へ出ると内兜うちかくしに手をやって紙入を出してみた。金にはすこしも異状がなかった。彼は幾等いくらか女に置いて往かなくてはならないと思ったが、なんだかばかばかしくもあった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
げにかたじけなしと軽くいただ内衣兜うちかくしに入れて目を閉じたり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
彼は自分の新たに受取ったものを洋服の内隠袋うちかくしから出して封筒のまま畳の上へ放り出した。黙ってそれを取り上げた細君は裏を見て、すぐその紙幣の出所でどころを知った。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)