“いちぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一眸88.2%
一望11.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天地はすでに夏に入り、江南の駅路うまやじや、平野の城市はもう暑さを覚える頃だが、その山上も、一眸いちぼうの山岳地も、春はいまがたけなわである。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天仙台から一眸いちぼうの下に集まる万物相一帯の景色だけでも妙義山と御獄昇仙峡を五十や六十組合わせたくらいの大きさを持っている。
淡紫裳 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
その夜は珍らしく雪が晴れて、雲間から淋しい冬の月が洩れている……一望いちぼう漠々ばくばくたる広野の積雪は、寒い冴えた月の光りをんで薄青く輝いていた。
北の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人間の歴史はあらゆる能力の活動を含んでいるのだから政治に軍事に宗教に経済に各方面にわたって一望いちぼうしたらどういう頼母たのもしい回顧かいこが出来ないとも限るまいが、とくに余に密接の関係ある部門
『東洋美術図譜』 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)